ガウスの(発散)定理
前回出てきた数学記号divに関係する定理として「ガウスの(発散)定理」がある。
ガウスの定理を言葉でいうと「ある体積からの湧き出し量とその体積表面から出ていく量は等しい」というもの。この定理は言っていることは当たり前なことだが、この定理は、体積積分を面積分にする際に役立つ(逆も然り)。
式で表すと次のようになる。
∫v div(A) dV=∮s An dS
ここで、nは、法線方向を示している。
当たり前なことだが、なぜある体積中の微小体積からの湧き出し総量とその体積表面から出ていく量は等しいかを説明すると、周りが微小体積に囲まれている微小体積からの湧き出しは、周りの微小体積の湧き出しとキャンセルされ、ある体積の表面になっている微小体積表面からの湧き出しのみが、ある体積からの湧き出し量となるためである。中にあるスプリンクラーが見えようが見えまいが、つまり、体積内からどんな形で湧き出しているのことは、ある体積からの湧き出し量を考える時にはどうでもよいということ。
具体的にどんな時役立つかであるが、以下のようになった時に
∮s An dS + ∫v B dV=0
次のようにまとめることができる。
∫v div(A) dV + ∫v B dV=0
∫v (div(A) dV + B) dV=0
div(A) dV + B=0