数学記号divの意味とオイラーの連続式

流体力学において重要な式であるオイラーの連続式の導出についてのまとめ。

 

まず、オイラーの連続式を一言でいうと「質量保存の法則の式」であり、式で書くと次のように書ける。

div(ρv)=-∂ρ/∂t v=(v, u, w)

数学記号divの意味を知っていれば一発でわかる。数学記号divは、ある微小体積に入って出てきた流量(ベクトル)がどれだけ増えたかを示す、言い換えると、微小体積からの”湧き出し”量を示す。ここで、湧き出しているのは、質量であり、右辺はどれだけ微小体積から質量が流失したかを示している。一方、質量保存の法則により、湧き出した分(流失した分)だけ微小体積内の質量が減る必要がある。それを、右辺が示している。

 

上の式は、次のように書き換えられる(以下の書き換えは、導出と逆の事をしている)。

∂ρv/∂x+∂ρu/∂y+∂ρ/∂w=-∂ρ/∂t

両辺に微小体積dxdydzを掛ける。

∂ρv/∂x dxdydz+∂ρu/∂y dydxdz+∂ρ/∂w dzdydx=-∂m/∂t

ここで、∂ρv/∂x dxdydzについて見てみる。∂ρv/∂x dxは、ρvがx地点からx+dx地点に移動した時にどれだけ増えたかを示す(ρv(x+dx)-ρv(x))。また、dydzは、x軸方向から見た流入面積である。しかがって、∂ρv/∂x dxdydzは、x軸方向からの質量の流失量を示す。他の項は、他の軸の場合であり同様な議論が可能。したがって、左辺は、どれだけ微小体積から質量が流失したかを示している。一方、左辺は、微小体積内の質量の減少量を示している。

 

参考:物理数学の直感的方法 長沼伸一郎 p68

オイラーの連続の式 - EMANの流体力学